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 二胡は労多くして。。。?

 二胡とバイオリンはどちらも擦弦楽器であり、似たようなものとして、ひとくくりにされることも多いと思うのですが、西洋音楽を演奏する上では二胡は バイオリンに比べ、非常に不利な点が多いです。まさか「この楽器は弾くのが難しいのです」と紙を貼って演奏するわけにもいきませんしね。
 同じ土俵にたって、頑張って演奏するというのも一つのアプローチであるとは思いますが、かなり無理があるところが多いです。
 いっそのこと、独自路線をはしって、とことん二胡らしさとは何かを考えてみるというのも一つの方法です。
 二胡の不利な点を分析することによって、それでも、なぜ二胡という楽器が好きなのか?を考えてみることも二胡の可能性を広げていくことには意味のある ことだと思います。

 不利なこと、その1は「音域の問題」、その2は音域にも関連しますが、「西洋音楽的アレンジのしにくさ」、 不利なことのその3は「西洋的音程の安定性」がまず挙げられます。まず、それぞれに分析していきます。
 てるてるみっちゃん自身は、二胡と二胡で奏でられる音楽を愛していますが、練習すればするほど 「二胡はバイオリンの代用にはなりません」

 で、思う事。「西洋音楽を二胡で弾く必要がはたしてあるのか?」永遠の疑問です。
 労多くして。。。という感じがしないでもありません。
 二胡らしさを消し、評価を受けても。。。二胡は二胡であって、バイオリンの代用品ではないと思うのですよね。
 二胡そのものの特性を評価され、それで評価されたいなぁと思いますね。

 音域について バイオリンの第1ポジションと二胡の音域を比較

バイオリンの第1ポジションの音域と二胡の音域

 図に示す通り、バイオリンでは第1ポジション(初心者の弾ける音域)だけでもかなり広くなります。
 また、バイオリンの超初心者が最初に習う音域を紫で図に示しています。(A線とE線の高音の2本の弦を使用する1オクターブが演奏しやすい。)(ピアノなどの西洋楽器に見られるように、初心者は最低音から習い始める わけではありません。(ピアノも真ん中の「ド」と言われるように、よく使用する音域が楽器の真ん中に位置し、初心者は最低音を使用して習い始めるわけでは ありません)
 これに対し、二胡では、最低音から、習い始めるのが一般的です。

 二胡で、なんとか演奏している音域をバイオリンでは軽々と初心者レベルで演奏できるというのはなんとなく悔しくもあり。。。です。

 西洋音楽的アレンジのしにくさ

 二胡では、最低音から習い始める。これが、またアンサンブルなどを難しくし、編曲者泣かせなポイントです。
 目標は、仲間内でちょっとアンサンブルなんかが楽しくできること、なんていうことはよく聞かれる話です。
 が、実は、意外にも二胡では初心者同士でのアンサンブルがかなり難しいのです。
 それが、バイオリンでは「超初心者」+初心者でも結構幅のあるアンサンブルが可能です。
 上に示す図のように「超初心者」レベルの音域よりも低音域に、まだ1オクターブあります。それゆえ、 3度下、6度下、1オクターブ下のハーモニーを付けやすく、西洋音楽的アレンジがとてもしやすいのです。 (当たり前に、バイオリンは西洋音楽的なものなので、そのアレンジに向くように楽器が進化したともいえます)

 それが、二胡は初心者では最低音から習い始めるので、その音域よりも低音域に伴奏をつけるのが難しいのです。
 人の耳は、近い音では、高音部分をメロディー=目立つ音と感じるので、もし、低音域に伴奏を付けられないなら、 1オクターブ以上離した音でハーモニーを付けてもよいのですが、二胡では今度は音が高音すぎて、初心者では全く演奏不能になってしまいます。 (同音合奏の場合です。もちろん、異音合奏(別の楽器との合奏)の場合は別で、音が近くても大丈夫な場合があります。)
 そうなると、斉奏(せいそう、つまり、一斉にみんなで、同じ音を奏でる)になってしまいます。実は、この斉奏、 まったく同じ音を奏でるというのはどの楽器でも結構難しいのですが。。。

 また、二胡では、その音域の狭さから、移調せずに演奏することが難しいことが多いです。
 クラッシックで「祝祭の調」と言われるD調から、G調へ移調すると、なんとなく「めでたさも、中くらいかな」。。。みたいなことにもなりますね。

 音程、音の安定性

 バイオリンと二胡ではまずビブラートのかけ方が異なります。バイオリンには指板があり、二胡の弦は中空にあるという構造上の違いにも起因します。
 まず、ビブラートには2つあり、ひとつは、「音の強弱を周期的に繰り返す」ビブラート、2つめは、「音の高低をつける(音の周波数を変化させる)」ビブラートの2つです。
バイオリン的ビブラート
 バイオリンでは、下に向かうビブラートで、周波数を変化させ、周波数の頂点にビブラートをかけようとする音がきます。上記にも言ったように、人の耳は一番高音を一番強く認識しますので、 ビブラートをかけようとする音が特に印象に強く残り、その音程の安定性は高くなります。というか、安定して、耳に聴こえます。

バイオリン的ビブラート
 これに対し、二胡では「一人一流派」くらい定型的なものがないので(民族楽器だし)、習っている先生によって異なるのではないかと思います。
 前の前の師匠は、ビブラートは「周波数を変化させる」派で、上記のような図を書いて、教えてもらいました。バイオリンと異なるのは、 頂点の部分の音とビブラートをかけようとしている音には少し差があることとで、ビブラートを深くかけようとすると、バイオリン的ビブラートとの差は拡大し、 西洋音楽的には二胡の音程は甘いと誤解されがちです。西洋楽器をやっている人からは音程が違うとか言われることまであります。
 一音の長さの中でも、ビブラートの深さを変化させることは多いですが、ビブラートをかけようとする音を中心に周波数を上下させるビブラートで、深さを変化させると 音程が変化したと言われたりしますよね。。。バイオリンを聴きなれた人にはそのように聴こえるのでしょうが、これは「二胡らしさ」にもつながる特性ですしねぇ。

 現在のわが老師は、周波数は動かしてはいけないという風に言っておられるので、ビブラートは「強弱でつける」派かと思われます。

 上記のように、結構、「労多くして、評価されず」的な部分も多いのですよね。二胡は難しい。


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